中国の春秋時代の歴史書「国語」の一節です。
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紀元前、中国の王朝魯の時代に、季文子という人がおりました。
宰相として、宣公・成公に仕えた身分の高い方だったのですが、
その家には、絹を着る妾も、穀物を食べる馬もいないほど、質素倹約でした。
ある日、仲孫它という若者が季文子にこう言いました。
「あなたは国で一番の権力者なのに、 絹を着る妾もいなければ、穀物を食べる馬もいない。
皆が貴方のことをケチな人だと言っています。
一国の宰相たる者がこのようなことでは、みっともなくて国の栄光を損なってしまうのではありませんか?」
季文子はこう返しました。
「私も贅沢はしたいです。しかし、国民の多くは粗衣粗食の状態です。
国民が粗衣粗食に耐えているのに、私だけが贅沢するのは宰相としての行いではありません。
また、徳が栄えることこそが国の栄光であると考えています。
妾が絹を着て、馬が穀物を食べることが国の栄光だという話は、聞いたことがありませんよ」
孫它は大いに反省し、その後は季文子の質素倹約を見習いました。
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仲孫它の言い分も分かります。
トップが頼りなさげ、みすぼらしい人じゃあ国民としていい気持ちがしないということです。
ただ、外面を大事にして中がボロボロではどうしようもない、ということです
企業だったらどうでしょう。私は「企業は社会貢献をし続ける場所」だと思っています。
社会的な意義があって、それを存続するだけの利益があって、働く人の生活を守るだけの利益を生み出すことが必要です。
社会公共性を持ちながら利益を出すことが地域の繁栄になります。
私の言う「利益第2主義」は「社会公共性第一」ということでもあります。