新年度、上場企業による大都市でない小さな自治体での
「地方創生事業」「まちづくり事業」への参入発表が相次いでいます。
かつて地方は「市場が小さい」「採算が取れない」として敬遠されてきました。
しかしいま、その常識が静かに変わり始めています。
背景にあるのはESG経営(※1)の浸透です。投資家・株主からの圧力により、
上場企業は利益だけでなく
「社会にどう貢献するか」を問われる時代になりました。

地方創生・地域活性化への関与は、脱炭素や環境ビジネスと共に
企業のブランド力向上、資金調達、リスク低減に不可欠で、
長期的な競争力を生み出します。
サステナビリティレポート(※ 2)に
持続可能な社会への貢献と中長期的な企業価値向上を目的とし、
「地域共生」の実績を載せることは、企業価値に直結します。

もう一つの理由は「人材戦略」です。
若い世代ほど「社会課題に向き合う仕事をしたい」という志向が強く、
地方創生事業は優秀な人材の採用・定着に効果を発揮します。
上場企業が地方を向く理由は、善意でも慈善でもありません。
それは極めて合理的な経営判断なのです。
※1 ESG経営は、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の
非財務要素を経営戦略の核に据え、持続可能な成長と利益を追求する手法。
※2 ESGに関する取り組みや成果を、
投資家や顧客、従業員などのステークホルダーへ報告する非財務レポート。