欧州の石の文化に対して、日本が木の 文化であることは広く知られていることです。
そして中国は土の文化といわれ ています。
日本には世界最古の木造建築 物として法隆寺が世界遺産になり、木造 建築が根づいていました。
しかも日本の古民家の木組みには個 性があって、
デザインとして魅力を感じている人も多くいます。
一部は再生されて、新しく生まれ変わっている古民家もあります。
そして古民家再生ではなく、 解体されて建材として流通し始めている材もあります。
なかでも国産材で 60 年を超えた木材を古材と呼ばれています。
戦前に建てられた木造住宅は、2000年までは100万棟近くあり大きく数を減らしていますが、
それでも50 万棟以上残されていると思われます。
少 なくともこれらの木材は、日本に眠る大 切な財産のひとつであるはずです。
さらに木材が持っているさまざま特性を知ると、その価値をより理解できます。
たとえば世界遺産である法隆寺のヒノキが、
いまでも強さ保持している話しを聞いたことがある人も多いと思います。
ヒノキは伐採後 200 年の間に乾燥す ることなどにより強度を増しています。
その後 1000 年をかけて少しずつ低下し、
建築されて 1300 年が経つ法隆寺は、今ちょうど建設当時の強度になっているといわれています。
木材は強度も耐久性も、基本は乾燥させることがいちばんの対処です。
腐食や 白蟻の被害も同様に防ぐことができま す。
古民家に使われていた古材は、本当 に長い時間をかけて自然に乾燥されたものです。
(持続可能な社会を目指すサスティナブルの時代、2 より)