「熟成肉」がブームですが今や「魚も熟成」の時代です。
「新鮮なマグロよりも熟成させた寿司のほうが旨味も強いし香りも強い」
と言われます。
また、古くから江戸前寿司の中には、
魚を保存させる目的で『昆布締め』や『塩・醤油漬け』などにしてネタを出す店はたくさんあります。
マグロを数日熟成させる店は多いですが、
貝類以外のネタを3日〜1か月ほど寝かせてから提供している。
「鮨處 やまだ」の山田裕介氏は
「熟成で身は柔らかくなり、ねっとりとした甘みと旨みが増します。
15kgのブリの塊を熟成させたら、お出しできるのは中心の5kgくらい。
熟成させてダメなら全部捨てます。コストは悪いのですが、
このおいしさは他には代えられません」
と語ります。
魚の旨味を凝縮するにはどうしたらいいかを追求し、
寝かせる期間や温度、湿度を変えながら、
いわば全く新しい概念でバージョンアップした熟成寿司をお客さんに提供しています。
また地方に根付く熟成文化の名産品を改めて売りにする「ご当地酒場」
東京・日本橋にオープンした「熟成魚場 福井県美浜町」
美浜町には大漁祈願で特別な日に食べていたといわれる塩蔵熟成の『塩熟ぶり』や、
サバを長く保存しながら食べることができる糠(ぬか)熟成の『へしこ』など、
古くから熟成や発酵の文化が根付いています。
そうした昔ながらの郷土料理、美味しい魚の食べ方を町のPRを
美浜町公認のコラボ居酒屋をオープンしました。
これら熟成ブームの高まりによって心配もあります。
これは「新鮮な生肉」の時も起こったのですが
「きちんとした衛生管理の下で魚の旨味を最大限に引き出す熟成技術をわきまえないと、
食中毒などのリスクは高まる」ということ。
今後、ブームに便乗しただけの飲食店が増え、問題を起こせば一気に規制強化されてしまいます。
熟成には教科書はありませんし、
長く寝かせたからといって何でもかんでも美味しくなるとは限りません。
あまりコストをかけたくないという店が中途半端に参入して、
かえって味や品質を落と危険があります。
消費者自身がブームに流されず、品質の良し悪し見分けること・・・大切です。
だから「住育学校」「木の住まい教室」をがんばっていこうと思います。