自然の猛威によって消えた街
あるいは人類の浅はかな行動によって失われた村など、
自然の大きな力に、人類が抵抗することは難しいです。
「海に沈んだ漁業の島」
この100年前は陸続き同然に行き来できたはずの場所が
そうではなくなってしまいました。
「ホーランド島」は長さ8キロの細長い島です。
1600年代の終わりにヨーロッパからの開拓者が定住。
そこが2013年以降、ホーランド島は完全に水没したのです。
水と果敢な戦いを続けた「スティーブン・ホワイト氏」
20世紀には
島には東西の海岸に並行して走る2本の道沿いに60軒の家が建ち並び
360人が住んでいました。
そこに祖父が住んでいたのです
ホーランド島の地盤は岩ではなく沈泥と粘土ででいたので
異常ともいえる速さで浸食が進み
島に住むのはペリカンとアオサギとアジサシだけになりました。
島に残っていた最後の家と2つの墓を水没から守り
20年近くにわたり迫り来る波と奮闘を繰り広げたのです。
ホワイト氏は
たった1軒残っていた1880年代に建てられた2階家を購入
1893年にわずか13歳で亡くなった「エフィー・ウィルソン」という少女の墓の碑文に
「どうか私を忘れないで。それだけが私の願い」と刻まれていて
それを見た途たん、ホワイトは涙を押え切れず、声を上げ
その時生涯をかけてホーランド島を救おうと固く誓ったのです。
島に残った家と大半の土地を7万ドルで手に入れると
彼は土地の消失を食い止めるために
妻のダイアンとともにほとんど毎週末を島で過ごしました。
海岸に木で防波堤を築き、土嚢を並べ、
全部で23トンもの石を手作業で積み上げました。
2003年に襲ったハリケーン「イザベル」が島に生えていた樹木の半分以上を引きちぎり、
崩れかけていた家にさらなる追い打ちを掛けました。
2010年、彼は重い病に倒れてしまいました。
たった1軒残っていた家はもはや自然の力に逆らいきれず、
とうとう10月に倒壊。
その後数カ月の間に家の残骸も海にすっかりのみ込まれ
現在では、ごくわずかに残った島の形跡も、満潮時には完全に水没したのです。
自然には勝てません。
しかし
その立ち向かう姿勢こそが「歴史に名を刻み」ます。
私は諦めることなく、その姿勢に憧れます。