ウェーバー・フェヒナーの法則

「人間の感覚の大きさは、受ける刺激の強さの対数に比例する」という基本法則です。
人間の五感への中ぐらいの刺激に対しては、”ちょうど良い”近似となることが知られています。

ドイツの生理学者・解剖学者エルンスト・ウェーバー氏は
重さの感覚についての実験を行っています。

100gの分銅を手のひらに乗せます。
そこに1gの分銅を1つずつ乗せていき、
110gになったときの重さの感じ方の変化を覚えておきます。

今度は、最初に1000gの分銅を手のひらに乗せておき、
同じように1gの分銅を1つずつ計10g分乗せて1010gになった場合に、
100gが110gに増えたときのような重さの感じ方の変化はしません。

これは増えた分の重さ10gの感じ方の変化が、
最初に手のひらに乗せていた分銅が100gである場合と
1000gである場合とでは違うことを意味します。

1000gの場合、100gをさらにのせて1100gになったときに、
100gの場合と同じような重さの感じ方の変化が現れます。

辛み成分の量を倍々にしていっても、
カレーの辛さの感じ方は倍々に感じないことからも
感覚の鈍感さが分かります。

音の大きさの単位デシベルの成り立ちからも
感覚の鈍感さが分かります。

いい加減に思われてきた私たちの感覚は、
実は本当の意味で “いい(ちょうど良い)加減”
なのです。