家を一軒だけ大切に育てても、
その家が建つ通りが寂れてしまえば、暮らしは続きません。
雨戸を閉めたままの隣家・・・・
シャッターの下りた商店・・・・
子どもの声の消えた小学校・・・・
家は、まちという土壌の上にしか根を張れないのです。
私たちが今日、どんな選択をするかによって、
三十年後、五十年後、この国の風景は決まってしまう。
古民家を一軒壊すという判断、空き家を放置するという選択
そのひとつひとつが、まだ生まれていない子どもたちが目にする風景を、
いま、つくっているのです。
今日からできることは、たくさんあります。
「隣家の様子に気を配ること」
「地域の祭りに顔を出すこと」
「子や孫と、家の未来について話し合うこと」
「古い家を壊す前に、もう一度、活かす道を探してみること」
家を育てることは、家族を育てること。
家族を育てることは、まちを育てること。
まちを育てることは、未来の子どもたちに「ふるさと」を手渡すこと――。
住教育の終着点は、ここにあります。
百年後、この国の子どもたちが、
自分の生まれ育った土地を誇りを持って語れますように。

『暮らしを育てる〜家族と未来につなぐ住教育〜』。
7月に出版予定です。どうぞお楽しみに。