「古民家耐震パネル型面格子壁」が2015グッドデザイン賞を受賞しました。
「古民家耐震パネル型面格子壁」は古民家と呼ばれる伝統構法の耐震改修ができる商品です。
通風、採光を犠牲にすることなく自由なデザインと見た目の美しさがあり、
間口高さ共調整可能なため規格が統一されていない古民家にも柔軟に対応可能。
伝統構法の免震的構造に合わせて強度と柔らかさを持ち間伐材を使用して製作するため
地域林業の活性化にも繋がる地方創生への新しい発想です。
受賞対象 :「古民家耐震パネル型面格子壁」
受賞団体名 : 一般社団法人全国古民家再生協会
デザイナー : 高田 豊文(滋賀県立大学 環境科学部 環境建築デザイン学科 教授)
伝統木造建築物である古民家に於ける耐震改修技術は、
これまで確立されておらず現行法に対応させるには、
構造用合板や土塗壁を用いる事が一般的であり、
伝統木造建築物本来の良さが損なわれてしまう中、
「古民家耐震パネル型面格子壁」の技術確立によって地方に多く残る伝統木造建築物を
「安心」「安全」に耐震改修を施し、
使用する木材は国産の間伐材を活用する事で燻る国内の木材自給率向上を目指しました。
古民家耐震パネル型面格子壁は、
地域の間伐材を活用し統一したマニュアルを構築する事で全国各地の職人によって製作が可能となり
人口減少・人口流出が進む地方に於いて「地域活性化」に繋がります。
また「安心・安全な古民家の活用」「職人の仕事確保」「職人技術の向上・継承」「国産間伐材の利用推進」、
古民家耐震パネル型面格子壁の促進によって日本の伝統・技術・環境面等にも大きな効果が期待できます。
これまで一般的に用いられていた面格子は
建具や内装に利用され耐震改修時には、構造用合板や土壁塗を用いられていました。
古民家耐震パネル型面格子壁の企画・開発に際して従来の耐震改修時の構造用合板を利用しての施工では
「デザイン性」「美観面」「構造面」等、伝統木造建築物には十分な確証がない状況でした。
「通風」「採光」に優れた「古民家耐震パネル型面格子壁」ですが、
伝統木造建築物の様々な空間で耐震機能を持ち、その空間に合致した商品を提供する為に、
水平加力実験等を行い格子材の乾燥収縮を原因とする初期スリップが発生することが多いですが
格子材90mm角の古民家耐震パネル型面格子壁について1年間に4度の長期的実験を行い、
剛性・耐力に対する初期隙間の影響について詳細調査をおこないました。
こうした力学性能の把握と実験検証データーの蓄積・解析を実施し優れた構造性能性と
デザイン性を持った「古民家耐震パネル型面格子壁」の開発を行いました。
古民家耐震パネル型面格子壁を全国各地に残る伝統木造建築物に対して、
活用頂く事で耐震性能の向上に寄与し、
伝統木造建築物を所有されている方の不安要素(耐震問題)を軽減させ、
より「安全」と「安心」を提供していきたいと強く願っています。
また、伝統木造建築物は一般に古民家として時代のニーズも高まる建築物であり
地域の残すべき宝として、この活動が「地方創生」に繋がって欲しいと考えています。
・・・【審査員コメント】・・・・・・・・・・
「古民家耐震パネル型面格子壁」は、古民家の耐震補強のための優れた選択肢となる方法である。
審査において、間伐材を使っていること、また面格子形状でありながら耐震性能を確保していることが評価された。
面格子形状を使うことで、耐震ベニヤを使うのとは異なり、風通しがよく、
格子形状そのものが表われるが、これは多くの場所に邪魔ならず、適用可能なものである。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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