年数を経るごとに、味わいが増してくるという木。
それらを永く楽しみ、次の世代へと遺したいものですが、
木材とはいったいどのぐらいの年数を耐えうるものなのでしょうか。
日本最古の木造建築物・法隆寺は創建から1,400年くらいです。
世界最大級の木造建築物としては、東大寺。
集成材でできたもっと大きい高層建築はありますが
いわゆる無垢の木だと東大寺が最大級です。
木というものは水にさえ浸けなければ長持ちします。
特に杉なんかは赤身が強いです。
門の塀とかによく使われるのは、厚みがある赤身の板です。
赤身だったら、
もう外で雨ざらしにしても平気で
表面を焼いて炭化しておけばさらにもつようになります。
白太は腐るけど、赤身は腐らない。
木を切ったら環境に悪いとか言う人がいますが間違いです。
木は切ったほうが「エコ」です。
例えば檜だったら60年でだいたい柱が取れるぐらいの太さになります。
丸太の輪切りを見ると年輪がありますが
中心の方へいくほど目が粗くなります。
逆に、樹皮の方へ向かうほど目が詰んでいます。
要するに、植林をして5年とか10年たったころの木が若い時期に
どんどん大きくなるということです。
そのときはCO2をいっぱい吸って、酸素をいっぱい排出します。
若いうちは新陳代謝が激しいけど、
年をとるだんだん代謝が悪くなってくる・・人間と同じです。
それで成長がゆるやかになっていって、目が詰まってきます
ということは、木が年をとるとCO2を取り込まなくなって、
酸素も出さなくなります。
そのうえ枝は落ちるし倒れるし
それが炭化して、逆にCO2を排出してしまいます。
檜は60年経ったらもう切るのがいいです。
切って、それを100年、200年もつ建築用材として加工して住宅に使えば、
CO2は100年以上ものあいだ固定化されたことになります。
そして木を切ったあとに、また新しい木を植え
それがどんどん大きくなって、
CO2を吸収していって、酸素を出していきます。
天然林を無闇やたらに伐採するのは良くないと思います。
切っていいのは、いわゆる人工林です。
いま日本の国土の3分の2は森林ですがそのうち半分以上が人工林ですから
切って、切って、植えかえる・・・それが一番環境にはいいんです。
切った木を住宅に使って
30年やそこらで建て替えないといけないような家でなく
100年以上もつ、いわゆる長期優良住宅を作ればいい。
それでその家を解体した時はまた木材(古材)を再活用できる。
リサイクルのシステム作っておくのが環境には一番いいわけで。
天然素材で作っておけば、 必ずまたリサイクルできます。
化学物質を大量に使うではなく
なるべく天然素材で家を建てていくのが一番いい・・・のです。